AGA治療には内服薬や外用薬、サプリメント、シャンプー、HARG治療など様々なものがあります
それらの治療に効果があるのか疑問に思っている方も多いかもしれません
実際に私も色々試してきましたが、最終的に必要と感じたものについてお伝えしたいと思います
AGA治療をご存じない方や、今受診している治療以外の方法を検討されている方は、この記事を読んでいただいて、治療の選択に役立てていただけたらと思います
AGA治療は効果があるのか?
AGAは治療して治るのか?効果はあるのか? と疑問に思う方も多いかもしれません
結論から言うと 治療による効果はあります!
よくAGAクリニックの広告などで「発毛実感率99%!」みたいな表記があるかと思いますが、あれは事実だと思います
但し、個人差があることは注意が必要です
多少髪の毛は増えたけどまだまだ満足していない人も、「髪の毛が増えたこと」は認識しているので発毛は実感していることになります
どこまでの量を求めるか、どこで満足するかは人それぞれなので、難しい問題です
また、効果のある治療でAGA治療には必須とされる治療と、効果があまり期待できない治療がありますので、続けて紹介します
効果の『ある治療』と『ない治療』
私は今までに植毛以外のAGA治療はほぼすべて行ってきました
そんな私が効果を感じた治療と、微妙だと感じた治療を紹介します
効果を感じた治療
以下の2つは実際効果を感じましたし、実際多くのAGAクリニックでもスタンダードな治療として提供されています
- フィナステリド(もしくはデュタステリド)
- ミノキシジル(内服薬)
- メソセラピー(もしくはHARG)
私はAGA治療を10年以上続けていますが、「フィナステリド」、「ミノキシジル(内服薬)」の2つは必須だと感じています
一方でメソセラピーの治療を受けた時は効果を実感しましたが、その後、継続した効果は得られませんでした。
上記3つとも継続的に服用や治療を続ける必要がありますが、メソセラピーは非常に高額なのであまりおすすめはできないです
人により効果が期待できる治療
少し意外かもしれませんが、私は以下による治療も効果を感じました
- 頭皮状態改善(シャンプーやローション)
- ミノキシジル(外用薬)
私が脂漏性皮膚炎と呼ばれる、頭皮が非常に荒れた状態であったため効果を感じたものだと思います
AGA治療とは少し違うかもしれませんが、頭皮の状態が悪いと血行も悪くなりハゲる要因となりますので、頭皮の改善は重要です
但し「頭皮状態改善」はAGAクリニックではなく普通の皮膚科で治療できますので、皮膚科で治療しましょう
AGAクリニックで販売されているシャンプーなどは高価ですので、皮膚科の先生に相談して選択ましょう
一方でミノキシジル(外用薬)は私の場合、余計に頭皮が荒れてしまい、むしろマイナスでした
しかし人によっては効果を感じる人もいますので自身の頭皮状態も念頭に入れる必要があります
ただ、ミノキシジル(内服薬)の方が効果としては感じやすかったです
効果を感じなかった治療
残念ながら私は効果を感じなかった治療は以下の通りです
- サプリメント系
サプリメント系でよく発毛に必要な成分の亜鉛などがありますが、特に効果を感じませんでした
上記の効果は私一人のサンプルの効果なので、必ずしも全員に当てはまるものではないので注意が必要です
また、上記の治療を初めて聞く人も多いかと思いますので、医学的な根拠も踏まえてAGA治療を紹介したいと思います
AGA治療の種類
AGAクリニックでは以下のような治療が紹介されています
フィナステリド・ デュタステリド |
AGAの原因となるホルモンの生成を抑制することで脱毛を抑える内服薬。 |
ミノキシジル | AGAにより成長が止まった細い毛を太くする発毛効果がある。内服薬/外用薬の二種類がある。よく発毛の薬と言われる。 |
HARG治療・ メソセラピー |
毛髪の成長因子や栄養素を直接頭皮に注射し、毛髪の再生・発毛を促進させる。 |
サプリメント系 | 発毛に必要な成分である亜鉛や、AGAの原因となるホルモンの生成を阻害する働きのあるノコギリヤシなど |
クリニックによってはオリジナルの商品や治療が紹介されていますが、基本的には上記の治療のいずれかに分類されます
各治療について詳しく見ていきましょう
フィナステリド・デュタステリド
フィナステリド、デュタステリド、ともに脱毛を抑制することを目的に飲まれる薬です
デュタステリド、フィナステリド、併用して服用するのではなく、どちらか片方を服用します
いずれかを服用することでAGAによる脱毛を抑制できるのでAGA治療には必須といえるでしょう
実際にほとんどのAGAクリニックで提供がされています
フィナステリド
フィナステリドは男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼとの結合を抑制する経口薬です
結合を抑制することでAGAの原因であるジヒドロテストステロン(DHT)が生成されないため脱毛抑制効果があります
国内の臨床実験では、フィナステリド1mgを3年間投与することにより、服用患者の98%でAGAの進行が認められませんでした(*1)
副作用として、勃起機能不全(ED)、精液量減少、射精障害が1%未満で表れることがあります。また、重大な副作用として肝機能障害があらわれることがあります。そのほかにも副作用があります。(*2)
日本皮膚科学会の 脱毛症診療ガイドライン(2017年)では、AGAへの効果として高い水準の根拠があることから、一番推奨度の高いA がつけられています(*3)
*1…川島眞 他. 男性型脱毛症(AGA)に対するフィナステリドの長期投与(3年間)試験成績―多施設共同オープン試験. 臨床皮膚科 60巻6号(2006年5月). pp.521-530.
*2…プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg添付文章
デュタステリド
デュタステリドはフィナステリドと同じく、男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼとの結合を抑制することで、AGAの原因であるジヒドロテストステロン(DHT)が生成されないため脱毛抑制効果があります
AGAの原因である5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型の2種類があります
デュタステリド とフィナステリドの違いとして、テストステロンと5αリダクターゼとの結合において、フィナステリドは5αリダクターゼⅡ型のみ阻害するのに対して、5αリダクターゼI型、Ⅱ型、両方を阻害します
AGA患者の頭頂部の毛髪数を測定した試験では、デュタステリド (0.5mg)を服用した患者は、フィナステリド(1mg)を服用した患者と比較して、毛髪数の変化量が約1.6倍多いとの結果があります(*1)
一方で副作用は、フィナステリドよりも報告症例が多く表れており、性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)が1%以上で表れることがあります。また、重大な副作用として肝機能障害があらわれることがあり、そのほかにも副作用があります。 (*2)
また、日本と韓国では、AGAの治療薬として国の承認がされていますが、それ以外の国では承認されていません
本皮膚科学会の脱毛症診療ガイドライン(2017年)では、フィナステリドと同じく一番推奨度の高いA がつけられています(*3)
*1…Gubelin HW, et al. J Am Acad Dermatol.;70,489-98(2014)
*2…ザガーロカプセル0.1mg/ザガーロカプセル0.5mg添付文章
フィナステリドとデュタステリドでは、デュタステリドの方が脱毛抑制効果が高いとされていますが、一方で デュタステリドの方が副作用のリスクが高いため、一概に デュタステリドの方が良いとは言えません
フィナステリドをまずは服用して、効果に満足できない場合に、デュタステリドを服用するとよいでしょう
ミノキシジル
ミノキシジルは血管拡張作用があり、元は高血圧の薬として開発されました
後にAGAにより成長が止まった細い毛を太くする発毛効果があることが分かり、AGAの治療薬として広く用いられています
ミノキシジルには外用薬と内服薬があるのでそれぞれ紹介します
外用薬
ミノキシジル成分の入った液体を直接頭皮に塗布する薬となります
「リアップ」がミノキシジル外用薬として有名ですね
ミノキシジルの濃度が1~5%であれば、第一類医薬品としてドラッグストアなどで購入が可能です
それ以上の濃度の場合、AGAクリニックなどで医師からの処方が必要となります
副作用としては頭皮の発疹、かゆみ、頭痛、めまい、むくみなどがあります(*1)
日本皮膚科学会の脱毛症診療ガイドライン(2017年)では、一番推奨度の高いA がつけられています(*2)
内服薬
ミノキシジル内服薬は、ミノキシジル成分をタブレット剤(ミノタブ)にして服用する薬です
ミノキシジルの濃度は2.5mg、5mg、10mgの3種類が一般的に流通しています
副作用として動悸・息切れ、むくみ、めまい、呼吸困難、心血管系障害などがあります
ミノキシジル内服薬については有用性に関して臨床実験が行われておらず、日本皮膚科学会の脱毛症診療ガイドライン(2017年)(*1)では推奨度が最低のDとされています
また、ミノキシジル内服薬は日本では未承認薬(薬として認められていない)のため、一般的な病院では取り扱っていませんが、AGAクリニックなどで処方してもらうことは可能です
外用薬と内服薬どちらがよい?
外用薬は日本皮膚科学会の脱毛症診療ガイドラインでも推奨度が高くはありますが、体感として発毛効果はなかなか感じにくいです
一方で内服薬の毛髪への効果は外用薬よりも高く、発毛効果を実感しやすいでしょう
内服薬は未承認薬であり副作用リスクが高いため十分に検証がされていませんが、発毛効果が高く、全国展開しているAGAクリニックでも内服薬を処方しているのが現状です
AGAを治療するのであれば内服薬が必須と思いますが、服用する場合は定期的に医師に診察してもらい、健康に問題がないかの確認も大切でしょう
HARG治療・メソセラピー
幹細胞から抽出した150種以上の成長因子やビタミンやアミノ酸等の栄養素(HARGカクテル)を直接頭皮に注射することで、毛髪の再生を促し、発毛を促進させる治療です
本来の機能を回復させる再生医療のため治療後も発毛が継続するとされており、治療後は半年に1回程度治療を行えば維持できるとされています。治療は1クール(4週間に1回注射)×6回とするクリニックが多く、注入する量にもよりますが6回で数十万~百万円近くかかります
ただ、安全性や有用性については決して十分に検証されているとは言えないため、 日本皮膚科学会の脱毛症診療ガイドライン(2017年)では、 推奨度はC2(行わない方がよい)とされています
費用が高く、有用性について十分な検証がされていないため、「フィナステリド(デュタステリド)、ミノキシジルで効果がなかった方」で「経済的に余裕がある方」は選択するとよいでしょう
サプリメント系
発毛に関するサプリメントとして、髪を育成するのに必要な成分である亜鉛や、5αリダクターゼを阻害する働きのあるノコギリヤシなどのサプリメントがありこれらを処方するクリニックも多いです
ただ、これらサプリメントにより発毛効果が表れたというエビデンスはありません
あくまで健康補助食品なので、サプリメントのみで効果を実感することは難しいですが、食事バランスなどが偏った方はサプリメントで補ってもよいでしょう
もし購入する場合も、AGAクリニックで購入する必要はなく、ドラッグストアで販売されているもので問題ないでしょう
まとめ
各治療の効果について解説しました。各薬の効果をまとめると以下のような感じです
- フィナステリド、デュタステリド
- 脱毛抑止効果がありAGA治療では必須(薄毛予防の薬)
- デュタステリドの方が効果が高いが、副作用リスクも高いため、まずはフィナステリドから服用
- ミノキシジル
- 発毛効果があり外用薬と内服薬がある(発毛の薬)
- 外用薬は安全ではあるが、内服薬と比較して効果は薄い
- AGA治療には内服薬を服用するのが良いが、副作用リスクが高いため、定期的に医師による診察を受けることをお勧め
- HARG治療・メソセラピー
- 成長因子や栄養素を直接頭皮に注射し発毛させる
- 治療が高額であり、安全性や有用性の検証が十分ではない
- フィナステリドやミノキシジルの治療を続けて、満足した効果が得られず、経済的に余裕のあるかた向け
- サプリメント系
- 亜鉛など髪の成長に必要な栄養素ではあるが、サプリメント摂取による発毛効果のエビデンスはない
- 食事バランスが偏っているかたなどは摂取しても良いが、その場合もドラックストアなどで安価なものをお勧め
AGAの治療の基本は薄毛予防の薬(フィナステリド・デュタステリド)と発毛の薬(ミノキシジル)となります。
薄毛予防の目的であればフィナステリド・デュタステリドの服用のみで良いですが、既に薄毛が進行していて改善したい場合は、ミノキシジルも服用が必要となります。